全世界株式の中長期リターン・リスクを検証!

全世界株式・アイキャッチ 資産運用

世の中にはいろいろなETFや投資信託がありますが、その中でも全世界株式を対象にしたものは投資先として一定の人気があると思います。

この記事は以下のような疑問を持つ方におすすめです。

・全世界株式に投資した場合のリターンとリスクはどのくらい?
・結局のところ、全世界株式に投資した場合はいくらプラスになるの? など

全世界株式を対象にした投資商品のリターンはどのくらい?

全世界株式を対象にした投資商品にはどんなものがあるでしょうか?
ETFだとバンガード社のVanguard Total World Stock ETF(VT)などが有名だと思います。
投資信託だとeMAXIS Slim全世界株式、楽天VT、SBI全世界株式あたりでしょうか。

これらの商品の設定日は以下のとおりです。

銘柄名設定日
Vanguard Total World Stock ETF(VT)2008年6月24日
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)2018年10月31日
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)2017年9月27日
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(SBI全世界株式)2017年12月6日

バンガード社によると、VTの設定来の年平均リターンは2021年6月30日時点で8.10%です。
ほかの3件の投資信託は設定日から日が浅すぎるのであまり参考になりませんね。
最古参のVTでも設定来の期間が13年程度です。
全世界株式に投資した場合の中長期の傾向を知りたいという方にとっては、
期間が少し心許ないと感じる人もいるのではないでしょうか?

全世界株式を対象にした指標にはどんなものがあるの?

あるテーマを持った投資商品は、そのテーマに沿った運用を行うためインデックス(指数)を参照することがあります。
指数に連動するように運用することで、投資商品が目指すテーマに沿った運用成績を残せるようにするわけです。

上で挙げた全世界株式に連動させることを目的とした投資商品の場合、
楽天VTやSBI全世界株式はFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(FTSE Global All Cap Index: FTSE GACI)
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)はMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI All Country World Index: MSCI ACWI)
という指数と連動するよう、投資商品を構成する銘柄が選定され、運用されています。

そこで以下では、ETFや投資信託ではなく、それらが参照する指数の推移を分析することで、全世界株式を対象にした場合のリターン・リスクを検証してみたいと思います。

全世界株式指数を使ったリターン・リスク検証

方法

今回はMSCI ACWIという指数の過去の数値から、年平均リターンとリスクを計算しました。

FTSE GACIも使いたかったのですが、2010年までの11年分のデータしか追えなかったので断念しました。
本家FTSE Russellのサイトを探したのですが、私には見つけられませんでした…。

一方のMSCI ACWIも、本家MSCIのサイトでは2007年までの14年分のデータしか追えませんでした。
そのため、検証に使うデータはmyINDEX様からお借りしました。
1988年から33年分の年次リターンのデータがありましたので、こちらを利用させていただきました。

結果

いきなり計算結果からお伝えすると、年平均リターンは9.85%(算術平均)8.28%(幾何平均)となりました。
中央値は15%でした。幾何平均ベースの標準偏差は17.36%という結果になりました。

某サイトでVTの2020年12月31日までのパフォーマンスを確認したところ、CAGR7.6%、リスク22.3%とのことでした。
VTは設定直後にリーマンショックの影響を受けたことを考えると、今回の計算結果は妥当なところなのかなという感想です。

これだけだと寂しいので、投資信託ガイド|ファンドの海様の長期投資予想/アセットアロケーション分析を利用させていただきました。
こちらは、資産クラス別に投資金額、期待リターン、リスクを入力することで、30年間積立した場合の運用結果予想やアセットアロケーション分析を行うことのできるとても便利なツールです。
入力値としては、今回計算した期待リターン8.28%、リスク17.36%、積立額は毎月33,333円としています。つみたてNISAの利用を想定したものです。
結果は以下のキャプチャのとおりです。

投資信託ガイド|ファンドの海・長期投資予想/アセットアロケーション分析(http://guide.fund-no-umi.com/tools/aa.html)の出力結果を貼り付け

総投資総額1,200万円に対して、30年後の期待リターンは4,949万円になります。
ただ、最頻値は2,600万円です。この場合、年平均リターンは2.6%に留まってしまうようです。
元本割れする確率3.3%というのも、気になる人は気になるかもしれませんね。

まとめ

いかがだったでしょうか?

MSCI ACWIの過去33年分のデータで計算したところ、年平均リターンは8.28%(幾何平均)、リスクは17.36%になりました。

また、これらをデータを使って、つみたてNISAで30年間満額積立を行った場合のシミュレーションを行うと、総投資総額1,200万円に対して、期待リターン4,949万円、最頻値2,600万円(年平均リターン2.6%)、元本割れ確率3.3%という結果が得られました。

結局、期待リターンはVTのものとそれほど変わらない結果になりました。しかし、リスクがそれなりにあるので、長期投資を行った場合の運用結果は思っていたよりよくないと思われた方もいらっしゃるかもしれません。私も初めて結果を見た時はそうでした。このあたりは私もまだまだ勉強中です…。

必要な知識はしっかり身に付けた上で、目標金額やリスク許容度等も考えながら、自分にとって適切な投資方法・投資先を模索していきたいですね。



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