2013年に発行された書籍です。数値データなどには古さを感じるものの、全体として言いたいことは現在でもとても参考にできるものでした。
主な対象読者は、貯金ができるようになって、資産運用を考え始めた人になるのかなと思います。年収の半分以上の貯金がある人で、家や車などの大きな買い物を控えておらず、長年銀行に現金を眠らせているのであれば、資金の一部を投資に回してもよいのではないかと書かれています。
本書では「守るお金」「攻めるお金」という表現が使われます。
万一、投資資金や定常的な収入がなくなったとしても、しばらくの間はしのげるような資金を「守るお金」(本書では生活資金6カ月分が目安のようです)として確保した上で、余剰資金を「攻めるお金」として投資に回していこうということです。
「攻めるお金」の遣い方としては、積立型のインデックスファンド(投信信託)がおすすめされています。
これよりもリスクが低い遣い方を「貯金」、リスクが高い遣い方を「株式投資」「FX」とされています。積立型のインデックスファンド(投信信託)のリスクは、これらの中間のイメージですね。
貯金にもリスクがあるの?と思う方もいるかもしれませんが、貯金(=資産を現金で持つこと)も十分リスクとなりえます。インフレや円安が進むと、金額そのものは変わらなかったとしても、お金の価値自体が下がってしまうんですね。それを何もしないことのリスクと解説されています。
「攻めるお金」の遣い方(=投資)をする時の極意として、「分散」「積立」「長期」「手数料の低さ」という4点が挙げられています。どれも投資を行う上で重要な考え方です。
特に「分散」については、個々人のリスク許容度に応じて、株式・債権、日本・海外の比率を変えること、とされています。
自分の許容できるリスクを理解した上で運用していくことが大切ですが、それを理解するためには、はじめにローリスク・ローリターンな投資から初めて、徐々にバリエーションを広げていくことが大切とも書かれています。
一般的には、株式と債権では「債権」、日本と海外では「日本」が、ローリスク・ローリターンと言われているのかなと思います。
また、終わりの方で整理されていた以下の内容について、既に知っているものも多かったのですが、個人的には参考になりました。詳しい内容は書籍をご覧ください。
<まとまったお金を投資に回す時の投資先>
- 積立型ではない通常のインデックスファンド
- ETF(上場投資信託)
- 個人向け国債
- 外貨建MMF
- MRF
<やってはいけない投資>
- 毎月分配型投信
- 不動産投資
- 外貨預金
このように、投資に関して書かれた書籍ではあるのですが、結局は自分への投資が一番リターンが高いと書かれています。この内容で一章分を割いており、個人的にも本質的なところなのかな、と思います。
お金というのは、生きていく上で欠かせないものだけど、あくまで、私達の人生を充実させるための手段でしかないのかなと思います。目的と手段を間違えないこと、意外と見落とし的なところかなと思います。何のためにお金を貯めるのか、貯めたお金をどうするのか。自分と自分の周りの人の人生を充実させることありきで資産形成も行っていきたいですね。
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