毎月積立と毎日積立はどっちのリターンが高いの?検証してみました!

資産運用

SBI証券や楽天証券でクレジットカード決済による定期積立を始めるにあたって、気になっていたことがあります。それは、月の積立は月初に1回行われるということ。私は、以前から投信積立を行っていますが、これは毎日積立にしています。

知識として、長期で考えると毎月積立も毎日積立もリターンは変わらないということを聞いたことがあります。数学的にもそうなんだとは思います。

でも、本当にそうなのかな?と思うところがあったので、実際の投資信託のデータを使って検証してみることにしました。

なお、以下の検証では余計な数字も出していたりするので、あらかじめお伝えしておくと、長期で考えた場合、やはりリターンに差はないだろうという結果になりました。

検証対象の投資信託

検証対象にしたのは以下の投資信託です。

SBI・全世界株式インデックス・ファンド
【愛称】雪だるま(全世界株式)

SBIの全世界株を対象にした投資信託ですね。設定日は2017年12月6日です。
選ぶなら全世界株を対象に投資信託から選ぶのが無難かと思い、その中でも比較的設定日が古いものを選択しました。実は、楽天・全世界株式インデックス・ファンドの方が若干設定日が古いのですが、自分が実際に積み立てている銘柄でもあるので、SBIのものを選定しました。

検証方法

検証方法ですが、まずはSBI証券のウェブサイトから、対象の投資信託の設定来の基準価額のデータをダウンロードしました。

その後、以下の2ケースでシミュレーションを行い、結果を比較してみました。

  • ケース①:月初にその月分の積立金額をまとめて積立した場合
  • ケース②:毎日1,000円ずつ積立した場合

ケース①が毎月積立ケース②が毎日積立に該当します。

ケース①の月初の積立金額は、同じ月にケース②で積立する合計額と同じ金額になるようにしました。例えば、ある月にケース②で18,000円積立した場合、ケース①では月初に18,000円をまとめて積立するようにしました。

また、本投資信託の設定日は2017年12月6日ですが、毎月積立の積立日を月初としていることから、検証の対象期間は、2018年1月1日~2021年5月31日としました。

検証結果

上記の検証方法で平均取得単価を計算してみました。

ケースごと、期間ごと(直近1年、2年、3年、3年5か月)で場合分けした結果を下の表に整理しました。なお以降、計算結果等は適当なところで四捨五入した値になっています。

ケース①ケース②①/②
直近1年11,708円12,030円0.9732
直近2年10,912円11,093円0.9837
直近3年10,606円10,728円0.9887
直近3.4年10,531円10,635円0.9902

毎月積立であるケース①が、どの期間においても、毎日積立のケース②より、平均取得単価が低くなるという結果になりました。ただ、①/②の値が期間経過とともに1に近づいていて、経年によりケース間の差は縮まっていることが分かります。

これで当初目的としていた検証は終わりですが、折角なので、いろいろな数字を見てましょう。

まず、各ケース・期間での取得口数を計算してみました。

ケース①ケース②
直近1年209,266口203,653口
直近2年444,461口437,196口
直近3年684,511口676,759口
直近3.4年786,238口778,540口

当然、平均取得単価が低いケース①の方がケース②よりも取得口数が多くなります。

続いて、取得口数と2021年5月31日時点の基準価額である14,504円から、2021年5月31日時点の評価額を計算してみました。

ケース①ケース②
直近1年303,519円295,378円
直近2年644,646円634,109円
直近3年992,816円981,571円
直近3.4年1,140,360円1,129,194円

分かりづらいですが、しっかりと世界の株高の恩恵を受けられているのが分かりますね。

さらに、各ケースの2018年1月1日から2021年5月31日までのリターンを計算しました。

ケース①ケース②
直近1年+23.89%+20.56%
直近2年+32.92%+30.74%
直近3年+36.75%+35.20%
直近3.4年+37.72%+36.38%

直近1年のリターンが大きく、コロナショックからの回復力が目立ちますが、それを除いたとしても、さすが安定の全世界株投信と思わせてくれる安定したリターンですね。

最後に、2つのケースの差はいつ埋まるのか?を調べてみました。と言っても未来予知なんてできないので、Excelの近似式を利用しました。最初の表にある平均取得単価のケース①・②の比(①/②)と期間でプロットしたところ、対数で以下の近似式ができました。

f(x)=0.0139ln(x)+0.9734
R2=0.9972

xが期間(年)、f(x)が①/②の値になります。

この近似式によると、7年経過する前にケース①と②の差はなくなるということでした。なお、結果については、あくまで直近の傾向を踏まえた結果と捉えていただければと思います。プロットも4つだけですし(数学苦手なので細かいことはご勘弁ください…)。

検証して分かったこと

今回の検証で分かったのは以下のことです。

ほかの投資信託に共通する内容もあると思いますが、基本的には、SBI・全世界株式インデックス・ファンドを対象に、2018年1月1日~2021年5月31日という期間を対象に検証した結果に基づくものだという点にご留意ください。

  • 積立期間が短期の場合、毎月月初積立と毎日積立ではリターンに差が出る。
  • 直近1年で見ると、およそ3.3%というそれなりに大きなリターン差がある。
  • しかし、リターン差は経年により縮まり、長期では差はなくなると考えられる。
  • ここ数年の傾向によると、2ケースのリターン差は6年目になくなると考えられる。

今回は毎月積立のケースの方が短期のリターンが高いという結果になりましたが、これは対象期間をどう取るかによって変わってくると思うのでたまたまだと思います。ただ、月初積立に限定すると、そういう傾向が出てくるんでしょうかね。

今回は比較的、動きが堅調?な全世界株を対象にした投資信託を対象にしましたが、ボラティリティが高い銘柄だと、結果も若干変わってくるかもしれませんね。ただ、長期積立する時にそんなボラの高い銘柄はあまり選ばないと思いますが。

ただの数遊びになってしまった気もしますが、少しスッキリした気がします。今回の検証が参考になったという方がいらっしゃれば嬉しいです。



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